北海道車中泊の旅初日:2024/07/02
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痛風と車の傷心から帯広まで
2024年7月2日(火)
朝6時。目覚ましの音もないのに、痛みの波が目を覚まさせた。親指の付け根が鈍く脈打ち、まるで遠い記憶から蘇る悪夢のようだ。
「あ、これ、ひょっとして痛風か…」
10年ぶりの発作。ベッドの上で顔をしかめながら、そんな一言が漏れた。2度経験しているが慣れることのない痛み。
仕方なく布団を蹴飛ばし、痛みと闘いながら体を起こす。普段はなんでもない行為が、この日はまるで試練のようだ。
6時51分発のバスに間に合わせるため、もたもたしながらも準備を整えた。向かった先は実家。30分の道のり、バスの座席で足を引きずるようにして座り込み、窓の外をぼんやり眺めた。
実家に到着すると、母親が用意してくれた朝食をなんとかかき込み、湯船へ直行した。
痛風には冷やすのが良いらしいが、昨日の事務所泊りで、凝り固まった体をほぐす湯の誘惑には抗えない。湯船に浸かりながらじんじんと痛む親指を見つめ、不思議な感覚に浸った。
湯の温かさが痛みと混ざり合い、わずかながら気持ちが楽になった。
リアゲート修理を断念
8時10分、再び実家を後にして事務所に戻る。車に乗り込んだ瞬間、1週間前の苦い思い出が脳裏をよぎった。
実家のガレージでバックした際、リアゲートを棚にぶつけてしまったのだ。右上に大きな凹み。毎日見るたびに、油断した自分への苛立ちが湧いてくる。
10時5分、板金屋『ピットボーイ』に到着。店員に見せると一言。
「これ、中古部品探した方が安上がりですよ。」
他の工場に写真を送っても同じ結論。
諦めて通販で購入したリアラダーを取り付けることで、凹みを隠す作戦に出た。
作業は思った以上に骨が折れた。ラダーを慎重に車体に固定しながら、汗だくになっている自分に気づいた。
「次は絶対誰かに手伝ってもらわんな無理や。」
関空でのKIXカード更新|旅の準備とお得情報
午後2時8分、大阪梅田からリムジンバスに乗り、関西国際空港へ。ここではKIXカードの更新が目的だ。駐車料金が割引になるこのカードは、車を頻繁に使う自分には必需品。
更新手続きを終え、時間が余ったので空港内をうろうろする。次のフライトで座る席は、左側の窓際を選択していた。
もし天気が良ければ、美しい夕焼けが見られるかもしれない。そんな些細な楽しみを思い描きながら、フードコートで軽く腹ごしらえをする。
KIX-ITMカード
関西国際空港(KIX)と大阪国際空港(ITM)で利用可能な年会費無料のポイントカード。クレジット機能はなく、入会金や年会費も不要で、即時発行が可能。伊丹空港でも使えるので、ぜひ1枚持っておきたいカード。
主な特典
駐車場割引: 関西国際空港では駐車料金が25%割引、大阪国際空港では10%割引。40フライトポイントを貯めると、24時間の駐車料金が無料。
長期間駐車することが多い人はKIXカードを持つことを強くオススメ。
1週間駐車した場合のKIXカードの有無でシミュレーションした結果は2950円の差
カード無の場合:11800円
カード有の場合:8850円
新千歳空港での誘惑|痛風でも止められないものがある
新千歳空港に到着したのは予定通りだったが、次のバスまでの時間はあまりなかった。空腹を抱えたままバスに乗るのは耐えられず、フードコートへ直行。
目に入ったのは『はなまるうどん』の看板だった。
「軽くかけうどんだけにしとこう」
そう思って注文したはずが、トレーにはゲソ天、コロッケ、かき揚げまで乗っていた。揚げ物を避けるべきだと分かっていながら、衣をまとった、そのフォルムに抗うことはできなかった。
「まあ、今日は特別や」
そう自分に言い聞かせながら、うどんをすすり、揚げ物を頬張る。美味しいものを前にしたら、健康への気遣いなんて簡単にどこかへ飛んでいってしまう。
帯広駅から拠点まで徒歩2時間|満天の星空に癒される道中
22時50分、帯広駅に降り立つ。タクシーを拾おうとするが、目の前で3台続けてスルーされるという悲劇。仕方なく徒歩で目的地まで向かうことに。
痛風のせいで普段のスニーカーではなく、楽さを求めて選んだのはビーチサンダルだった。しかし、その選択がこの2時間の苦行をさらに過酷なものにした。
足を覆うのは薄いゴム底だけ。歩き始めて20分も経たないうちに、砂利道で小石が挟まり、親指をかばうたびに痛みが増していく。
足裏に感じる熱さと小さな傷が次第に広がり、心の中で何度も「なんでやねん」とイラ立ちを隠せなかった。
真っ暗な緑ヶ丘公園に差し掛かる頃、息は切れ、足の痛みはピークに達していた。しかしふと顔を上げると、そこには満天の星空が広がっていた。
周囲を遮る街灯のない公園の静けさが、星のきらめきを際立たせる。
「これやから旅はやめられへん…」
疲労と痛みにまみれた体が、星空を見た瞬間だけは軽くなるような気がした。その美しさに足を止め、しばらくの間、現実の痛みを忘れて見入っていた。
しかし時間は待ってくれない。痛みに耐えながら足を動かし続け、深夜0時45分、ようやく目的地に到着した。
足の裏には水ぶくれがいくつもでき、冷たいタオルで冷やしながらベッドに倒れ込む。
「これも旅の一部やな。」
そう呟きながら、満天の星空の記憶を胸に刻みつつ、疲れ果てた体を睡魔に預けた。
ほな、また明日!
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