北海道車中泊#6-5:美瑛パッチワークの路~白金の青い池~十勝岳温泉めぐり~富良野ラベンダーファーム~帯広

北海道車中泊の旅5日目:2024/07/06

層雲峡から美瑛へ出発

2024年7月6日(土)
層雲峡オートキャンプ場で朝5時に起床。昨夜は一時的な大雨が降ったが、今朝は見事な快晴。早々に準備を済ませ、6時半に出発するも、近くのソロキャンパーたちが昨晩楽しんでいたBBQの匂いが車内にこもっている。リアゲートを開けたまま寝ていたせいか、バスタオルカーテンに匂いが染み付いてしまったようだ。洗濯するまで我慢するしかない。

上川郡当麻町:フィールドボール発祥の地祥の地

北海道のドライブ中、ふと立ち寄った上川郡当麻町で「フィールドボール発祥の地」という看板を見かけた。聞けば、この町がフィールドボールというユニークなスポーツの生まれ故郷らしい。フィールドボールは当麻のオリジナルスポーツだそうだ。ゴルフを手軽に、誰でも楽しめるようにと、硬式テニスボールをピッチングウエッジで打ち、コースを回るスポーツ。町営野球場の周辺にコースが設けらている。

寄り道で立ち寄っただけだったけれど、この土地ならではの文化を知ることができて、ちょっと得した気分になった。

 

美瑛 パッチワークの路

8時20分に美瑛の「パッチワークの路」へ到着。このエリアは美瑛の代表的な観光スポットで、広大な丘陵地帯に広がる農作物の畑がパッチワークのように見える美しい景色が特徴。車を走らせると「ケンとメリーの木」や「セブンスターの木」など、フォトスポットとして有名な場所が点在している。

この時間帯からすでに観光バスが2台停まっており、多くの観光客が写真を撮っていた。静けさは少し欠けるが、朝の光が差し込む畑の風景は息をのむほどの美しさだった。

道の駅 白金ビルケから青い池へ

9時10分に「道の駅 白金ビルケ」へ立ち寄る。この道の駅は、十勝岳登山や白金温泉、青い池へのアクセス拠点として知られるスポット。施設内では地元産の野菜や特産品が並び、カフェも併設されていて、登山や観光の途中でひと息つける場所だ。この時期は多くの観光客が立ち寄り、にぎわいを見せていた。

 

9時25分に「白金 青い池」へ到着。駐車場料金は500円。ここは北海道を代表する観光スポットの一つで、青い水面と立ち枯れた木々が幻想的な風景を作り出している。この日も多くの観光客が訪れ、昨日の神の子池の静けさとはまったく違うにぎやかさを感じた。景色は確かに美しいが、静かに鑑賞するというわけにはいかない。それでも、湖面の青さと独特の景観は訪れる価値があると感じた。

吹上温泉:ドラマ「北の国から」のロケ地として知られる秘湯風呂

10時に吹上温泉露天風呂に到着。北海道美瑛町に位置する 吹上温泉露天風呂 は、その秘湯感あふれる雰囲気と無料で楽しめる天然温泉として人気のスポットだが、もう一つの顔がある。それは、名作ドラマ 「北の国から」 のロケ地として使われたことである。

「北の国から」は、北海道の大自然を舞台に家族の絆や人間模様を描いた、国民的な人気ドラマ。この吹上温泉は、その中でも名シーンの一つに登場する。ドラマでは主人公たちが温泉に浸かりながら語り合うシーンが撮影され、この温泉の素朴で美しい雰囲気がドラマの世界観を引き立てている。

ロケ地となったことで、吹上温泉は「北の国から」ファンにとって聖地のような存在となり、訪れる人々が後を絶たない。温泉の入り口には、このドラマに関する説明や記念プレートが設置されており、当時の撮影の様子を垣間見ることができる。

温泉そのものの魅力

吹上温泉の魅力はその素朴さにある。自然の中にそのまま湧き出る温泉は、地元の人々によって維持され、観光客も無料で利用できるという懐の深さが特徴だ。泉質は硫黄泉で、ほんのり硫黄の香りが漂い、湯温はやや熱め。大自然の中、鳥のさえずりや風の音を聞きながら浸かる温泉は、心身ともにリラックスできる。

「北の国から」の世界観を感じながら温泉に浸かる時間は、ドラマファンにとって特別な体験となるだろう。さらに、周囲には美瑛や富良野といった観光スポットも点在しており、温泉と観光をセットで楽しめるのも魅力の一つだ。吹上温泉は、ドラマの思い出と北海道の自然を同時に味わえる貴重な場所である。

駐車場から砂利道を少し歩いて露天風呂に到着すると、すでに年配の方が3人ほど先客で、その中には地元のおじいさんもいた。静かな山の中にある温泉らしい、こぢんまりとした雰囲気が心地よい。小さな脱衣場で服を脱ぎ、ゆるりと温泉へ入った。と、そのとき「足を洗って入らんかいな!」とおじいさんにピシャリと注意され、思わず「あ、すみません!」と慌てて湯船を出て足を洗う。その姿を見たおじいさんが「もう入った後やけどな」とニヤリ。思わずこちらも笑ってしまう。続けて「まぁ、次から気ぃつけたらええ」と一言。少し恐縮しながらも、どこか温かい雰囲気にホッとした。

湯船に戻ると、温泉の湯は想像以上に熱く、じっとしていられないほど。上段と下段で温度が少し違うらしく、地元のおじいさんは上段の熱い湯に悠々と浸かっている。こちらは下段に移動するが、下段は逆にぬるすぎる。改めて上段の湯に入り直したが、やはり我慢できず、すぐに湯船から出ることに。すると、「もう出るんかいな!若いのに根性なしやな!」とおじいさんの笑い声。冗談交じりのツッコミに、思わず笑いながら「次はもうちょっと耐えます!」と返す。たった数分の交流だったが、その素朴なやりとりが心に残る。湯の熱さだけでなく、人の温かさも感じられる、まさに北海道らしい温泉体験だった。

北海道で最も標高が高い温泉 凌雲閣温泉

10時半、「凌雲閣温泉」に到着。ここはなんと、北海道で最も標高が高い温泉。霧の中の山道を上るにつれて期待感が高まる。標高1,280メートルのこの場所から眺める景色は圧巻。広がる山並みと澄んだ空気に包まれると、「ここまで来てよかった」と思える瞬間だった。

館内に入ると、下駄箱にはずらりと並ぶ登山靴。多くの登山客がこの温泉をゴールとしていることが感じられる。浴場に向かうと、硫黄の香りが心地よく漂い、湯船からはまるで空に近づいたような景色が広がっていた。湯温はちょうどよく、体の芯からじんわりと温まる。「これぞ温泉!」という幸福感に浸ることができた。

この景色と湯を同時に味わえる場所はそうそうない。「北海道で一番標高が高い温泉」という事実が、この経験をさらに特別なものにしてくれた。凌雲閣温泉に立ち寄ることは、北海道の自然を肌で感じる忘れられない旅の一コマとなった。

 

ファーム富田のラベンダー畑

ラベンダー畑で有名なファーム富田を訪れようとしたが、土曜日の観光名所はさすがの混雑ぶり。観光客の多さに断念。週末の人気観光地では、こうした柔軟な判断もスローバンライフの利点だと感じた。

 

拠点への帰路

13時20分には「道の駅南ふらの」に到着。以前から気になっていたラーメン屋に行ったが、残念ながらお休み。気を取り直して、14時に新得の「ロッキー」へ。ラストオーダーにギリギリ間に合う。ここでモツ辛味みそラーメンを堪能。ピリ辛でしっかりとした味付けがクセになる一杯だった。

16時には帯広の拠点に到着。すぐ近くのホクレンでガソリンを給油。200km走って10リットル。年間500円の会費でリッター5円割引が受けられるVIP会員に登録することに。さらに、500円分の洗車サービスもついてきたので、実質会費がタダになる計算。ちょっと得した気分だ。

16時10分に拠点へ戻り、洗濯を開始。ところが、重さでかもいフックが落ちるハプニング。仕方なく、新しいフックと車のサンバイザーにカードやチケットを挟めるバンドを購入。少しずつ環境を改善していくのも楽しい作業だ。

夜には、20時50分に「真田屋」で本日2回目のラーメン。今回は焦がしニンニク味噌ラーメンを注文。濃厚なスープが一日の疲れを吹き飛ばしてくれるような一杯だった。食後は拠点のベッドでゆっくりと休む。

層雲峡から帯広までの移動中、自然や温泉、観光地をたっぷり楽しんだ一日。美瑛の風景や白金青い池のにぎやかさ、吹上温泉での地元の人々との触れ合いなど、移動そのものが充実した旅路だった。スローバンライフのペースで柔軟に予定を変えながら、日々新しい発見を楽しめるのが、この旅の魅力だ。

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