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北海道車中泊の旅3日目:2024/07/04
道の駅しゃり
2024年7月4日(木)
この日は帯広の拠点で朝4時に起床。目覚ましが鳴る前にスッキリ目が覚めて、さっと身支度を整える。車中泊の旅では早起きがやっぱり有利だ。静かで涼しい朝の時間を有効活用して、まずは洗濯をスタート。湿った衣類は除湿機の風がしっかり当たる場所に干して、効率よく乾かすように工夫した。やっぱり除湿機があると便利。特に湿気の多い日なんかは、本当に頼りになる。
5時10分、荷物をまとめて出発。早朝の道は空気が澄んでいて、車内にはひんやりとした朝の空気が流れ込む。こういう時間に運転すると、自然と気持ちも引き締まるし、渋滞もなくてスムーズだ。やっぱり朝早く動くのは正解。
8時11分には津別に到着して、ガソリンを給油。今回の給油は10リッターで、走行距離は193km。燃費もなかなか良い感じだ。軽バンのハイゼットカーゴ(シロ)はタンク容量が40リットルほどだから、こうやって小まめに補給しておくと安心感が違う。長距離の移動では、燃料切れを気にせず走れるのが大事だなと改めて思う。
10時には道の駅しゃりに立ち寄る。ここは広々としており、休憩や観光情報収集に最適だ。新鮮な地元の特産品や観光パンフレットが並ぶ中、つい目移りしてしまう。
少し早めのブランチとして焼きそばを大盛りでいただき、だし巻き玉子も追加。ノンアルコールビールで喉を潤し、ほっと一息つく。道の駅は旅の中で重要な立ち寄りポイントだ。
JR知床斜里駅から徒歩5分、ウトロの手前約40kmの市街地の中心に位置する。休憩スペースとフリーWi-Fiが完備しており、斜里町内の地域情報も充実。隣接する「斜里工房しれとこ屋」では新鮮な海の幸など知床の恵みを販売している。
毎年7月に行われる「しれとこ斜里ねぷた」の山車を展示
知床博物館の魅力と特徴
その後、10時半には知床博物館を訪れた。ここは北海道斜里町にある施設で、知床の自然や文化、歴史を学べる場所だ。世界自然遺産に登録された知床の貴重な生態系や、この地域で育まれてきた独特の文化が分かりやすく紹介されていて、とても充実している。知床半島の入り口にあるから、観光の途中で気軽に立ち寄れるスポットとしてもぴったりだ。
自然に焦点を当てた展示
館内には、知床の豊かな自然を象徴する動植物に関する展示が多数ある。例えば、ヒグマやエゾシカといった代表的な哺乳類の生態や、知床連山の険しい山々に生息する高山植物について学べるコーナーがある。また、実物大の剥製や標本、ジオラマが展示されており、知床の厳しい自然環境の中での動物たちの生き様がリアルに感じられる。特に注目すべきは、知床の海に生息する生物に関する展示だ。オホーツク海に浮かぶ流氷と、それを取り巻く生態系についての解説は、地域特有の自然環境への理解を深めるのに役立つ。流氷の形成過程や、それがどのように生態系に影響を与えるのかを知ることができ、知床がいかに特別な場所であるかを実感できる。
歴史と文化の紹介
自然だけではなく、人間の営みにもスポットを当てた展示が興味深い。アイヌ民族の文化や暮らしに関する資料が充実しており、昔の道具や衣服、工芸品などを見ることができる。アイヌ文化が知床の自然と深く結びついていることがよく分かる内容だ。また、斜里町や知床半島周辺の開拓史についても触れており、過酷な自然環境の中で人々がどのように生活を築いてきたのかを学べる。斜里の漁業や農業の歴史も展示されており、特にオホーツク海で行われてきた漁業の発展と、地域の経済に果たした役割が詳細に説明されている。地元の人々が自然と調和しながら生活を送ってきた歴史を知ることができ、訪れる人々に感銘を与える。
博物館の魅力的なグッズ
博物館のミュージアムショップには、知床ならではのお土産が並んでいる。私は今回、Tシャツ2枚とトートバッグを購入した。Tシャツは知床のキャラクターのトコさんのデザインを2枚。トートバッグはシンプルながらも実用的で、旅先での荷物整理に早速役立った。その他にも、知床の風景を描いたポストカードや、アイヌ文様をモチーフにしたアクセサリーなど、地元の魅力が詰まったグッズが揃っている。
知床博物館の前には、歴史的な鉄道の名残として 蒸気機関車の車輪、国鉄9600形式蒸気機関車手動輪(第三動輪)が展示されている。この車輪は、かつて斜里町で運行されていた鉄道の一部を象徴するものであり、地域の歴史や交通の変遷を物語る重要な展示物だ。この機関車の車輪は、斜里町と周辺地域を結んでいた鉄道路線で使用されていた蒸気機関車のもの。北海道ではかつて、物資輸送や地域間の移動手段として鉄道が主要な役割を果たしていた。斜里町を含むオホーツク海沿岸地域では、漁業や農業が盛んで、これらの産業を支える物流網として鉄道が欠かせない存在だった。車輪が展示されているのは、こうした鉄道の歴史を忘れないためのシンボルとしての意味がある。鉄道が地域経済や人々の生活に果たしてきた役割を感じさせるとともに、現代の観光資源としてもその魅力を伝えている。
「天に続く道」展望台
12時には「天に続く道」展望台に到着。ここはその名の通り、まるで天まで続いているかのような真っ直ぐな道が地平線に向かって伸びている絶景スポットだ。全長28kmにも及ぶこの道は、目の前に広がる広大な風景と合わせて、とにかく壮大で圧倒される。天気が良い日には特に美しく、どこまでも続く青空と地平線が一体となって見える。そんな景色をぼーっと眺めていると、時間を忘れてしまう。旅の疲れもどこかへ消えていくようで、本当に癒される場所だ。写真映えも抜群なので、ついついシャッターを切る手が止まらなかった。
北海道感動の瞬間100選にも選出されている「天の道」。国道244号から334号の全長約28.1kmにも及ぶ道路です。名前の由来は、果てしなく続くまっすぐな道がまるで天まで続いているように見えることから。周囲には知床の山々などの大パノラマが広がり、絶景ドラ…
その後、オシンコシンの滝へ向かう途中、オホーツク海の美しい景色を見つけて写真を撮りたくなった。そこで歩道に乗り上げてみたのだが、そのまま進んでいるうちに出口が見えなくなってしまった。仕方なくバックで戻る羽目に。同じ距離を後ろ向きで運転し続けたため、首が痛くなるほどだった。こういったハプニングも旅の醍醐味と捉えよう。
オシンコシンの滝
13時には、知床八景の一つ「オシンコシンの滝」に到着。ここは「双美の滝」とも呼ばれていて、途中で2つに分かれて流れ落ちる姿が特徴的な、迫力満点の滝だ。滝のそばまで行ける階段があり、間近で見ると勢いよく落ちる水しぶきがとても心地いい。滝の音やひんやりした空気に包まれると、自分も自然の一部になったような感覚になる。
その場に居合わせた観光客の方と軽く話し、写真を撮り合うことに。「せっかくだからお互い記念に」と撮影した写真は、滝をバックにしたいい思い出になった。こうしたちょっとした交流もいい。滝の美しさとその場の雰囲気に、しばらく見入ってしまったが、それもまた贅沢な時間だった。
滝を後にしたのは13時半。そのタイミングで仕事のタスクもこなす。お客さんのメールサーバー設定をリモートで変更する必要があったため、車内で作業を行った。こうして旅の途中で仕事をこなせるのも、ネット環境が整った現代ならではの利点だ。
その後、どうしても運転中のスマホのスピーカーの質では満足いかず、JBLのBluetoothスピーカーを通販で購入。車中泊やキャンプ時に使う予定で、音楽をより良い音質で楽しめるのが楽しみだ。14時には150kmほど走ったところで再び給油。燃料の残量に注意しながら計画的に進む。
清里オートキャンプ場
15時半には清里オートキャンプ場にチェックイン。ここは知床の自然に囲まれた広々としたキャンプ場で、静かで落ち着いた雰囲気が魅力だ。設備も整っていて、初心者からベテランまで幅広く楽しめるスポット。サイトがゆったりしているので、車を停めても余裕があり、プライベート感もしっかり保てる。
車を停めて、持参した飲み物やお弁当を広げて早速リラックスタイムに突入。この日のメニューは、豚丼弁当、しらす丼弁当、竹輪、ポテトサラダ、春雨サラダと種類豊富。ノンアルコールビールで乾杯しながら、爽やかな風と鳥のさえずりを楽しむ。自然に囲まれた空間で食べると、いつもの弁当も何倍も美味しく感じるから不思議だ。
食後は、キャンプ場の穏やかな空気の中でしばし仕事タイム。パソコンを広げて少し作業を進める。自然の中で仕事をすると、普段のデスクとは違う発想が浮かぶこともあるから面白い。そんな静かな時間が流れるキャンプ場で、自然の力に癒されながら、贅沢なひとときを過ごした。こういう環境で仕事をするのがバンライフをする目的のひとつだ。
気が付くと、もう21時15分。車外に出てふと夜空を見上げると、そこには満天の星が広がっていた。街灯がほとんどなく、足元の明かりだけだから、星が一層はっきりと見える。こんな瞬間に出会うと、「旅に出て良かったなぁ」としみじみ感じる。星を見ながら、首筋や背中、腰を軽くストレッチ。同じ姿勢での仕事で体が固まっていたけど、これで少しスッキリ。静かな夜、星空の下で体を伸ばすのは思いのほか気持ちいいもので、すっかりリラックスできた。
この日も盛りだくさんで、首が痛くなったりちょっとしたトラブルもあったけど、それ以上に楽しいことがたくさんあった。きれいな景色も見れたし、キャンプ場でゆっくりする時間もあり、かつ仕事もはかどって、十分満足。こうして旅のことを書き残しておくと、後で見返したときに「ああ、こんなことあったな」って思い出せるからいい。これからもマイペースで旅を楽しんでいこう。